第35回 意外と使えるチェーンアイゼン
この原稿を書いているのは2月下旬。そうです平昌オリンピック真っ最中の時期です。始まるまではなんだかんだと言われていた(言っていたのは日本だけかもしれませんが)平昌でしたが、始まればやっぱりオリンピックは盛り上がるし、スポーツはいいなぁと思うし、日本人選手の活躍は素直にうれしいものです。色々と感動する場面があったと思いますが個人的にはスケートの小平選手と李選手のゴール直後の姿が一番だったと思います。いやぁ、あの二人の姿は涙が出るくらい感動しました。最近あんなに感動したことはないんじゃないかと思うくらい、、、。いやぁ良かった。互いに尊敬しあい競い合う姿が本当に素晴らしかった。思えば残念ながら日本と韓国の今の関係は決して良い関係とは言えませんが、この二人の姿がまた友好と言う言葉を思い出させてくれればと思います。思えば日韓ワールドカップの時はあんなに良かったのに、、、。
いやいや冬のスポーツでこんなに盛り上がったのは久しぶりと言うことで、今回は冬のハイキングに便利な道具をご紹介しましょう。この冬は本当に寒かったし東京では数年ぶりの大雪(東京としては)も降りました。ちなみに左の写真は1月22日、あの大雪が降った日の昼過ぎの高尾山頂です。本当にこの時の雪の降り方は凄かった、、、。まぁ、都心であれだけ積もったのですから当然山にもずいぶんと積雪があり、またその後の低温でいつまでも融けることなく残りました。しかも人が多くいく人気の山ほど雪が踏み固められアイスバーン状態に。これがまた結構厄介なもので油断してうっかり足をのせると簡単に滑ります。
そこで使われる道具がいわゆる軽アイゼン。靴の底につける金属製の爪であります。本来、八ヶ岳など本格的な雪山で使うものですが、それを低山用に簡略化したものが軽アイゼンと呼ばれるものです。軽アイゼンは爪の数が4本から6本。この時期に使うのはしっかりと爪が氷に食い込む6本爪アイゼンが一般的です。しかし写真からも分かるように爪は靴底の中心部にあります。このため雪や氷のないところを歩くと一本歯の下駄のようにどうにも歩きにくいものです。雪があれば爪がしっかりと雪の中に食い込むので歩きづらいとは感じないのですが、、、。本来アイゼンは雪のないところでは装着しないものです。しかし低山は往々にして雪があったりなかったりします。樹林帯はほぼ雪が残っているのですが所々日当たりのよいところは融けています。融けている箇所がある程度続くようでしたら軽アイゼンを外して歩きますが数メートルおきに融けている所と雪が残っている所を繰り返す状況がこれまた厄介。いちいち外していたら面倒だし何よりも大きなタイムロスになります。大抵は我慢して装着したまま雪のないところを歩きますがなんともはや歩きにくいのです、これが。土だけならともかく下に石でも隠れていてガリッと噛んだ時の不快感と言ったら、、、。個人的には冬の低山ハイクの大きな悩みがこの軽アイゼン問題でした。
しかしこの悩みを一気に解決してくれたのがチェーンアイゼンでした。その名の通りチェーンに小さい爪が付いています。見ての通り6本爪の軽アイゼンと比べ大きく違います。装着すると靴底全体を覆うので実に歩きやすいのです。これなら雪のないところでも全く苦になりません。ほとんど普通の感覚で歩くことができます。しかも実際使ってみて一番驚いたことはこの小さな爪で十分だったことです。カチカチに凍った急斜面でもしっかりこの歯が効くんです。従来の軽アイゼンの爪の半分にも満たない爪の大きさ。最初不安に思いましたがいやはやなんのなんの、ガリッと氷を噛んでしっかり制動します。いやもう近郊の低山ハイクならこれで十分です。しかも装着も簡単。靴のつま先に引っかけてグイッと後ろに引っ張って踵にはめればもうそれでOK。つけるのも簡単ということは外すのも簡単でありまして、頻繁に着脱を繰り返しても大きなタイムロスにはなりません。チェーンアイゼンを使うと今までの軽アイゼン問題が一挙に解決したような、、、そんな気分なんです、実は、、、。
ただ、従来の軽アイゼンに比べて何かデメリットがあるとすればそれは耐久性かもしれません。チェーンアイゼンはゴムによって靴に装着しますので何年か経過すればこのゴムの劣化が懸念されます。ゴムが伸びれば外れてしまうこともあるでしょうし、切れてしまえば装着できません。この点、従来の軽アイゼンならテープを交換するなど修理をしながら長く使うことができます。う~ん、まぁこの辺は致し方ありませんが、、、。でも個人的にはこのような欠点を補っても余りあるほどの恩恵がこのチェーンアイゼンにはあるように思います。寒さに負けず冬も山登りを楽しむ方にはぜひ一度使ってみることをおすすめします。きっとあなたの山登りがもっと楽しくなりますよ、、、たぶん、、、。
さぁ、もうすぐ3月。いよいよ春です。この冬が厳しかっただけに春の訪れはきっと心躍るものでしょう。そう言えば3月はパラリンピックも始まるし、何と言ってもプロ野球も開幕です。いやぁ、待ち遠しい。今年こそはジャイアンツ優勝だと個人的には信じています。やっぱりジャイアンツは強くなくっちゃ面白くありません。秋にはビールをかけあうジャイアンツの選手を見たいものです。頼んだぞ、坂本!今年こそ高橋を男にしてやってくれ!!