アウトドアの楽しみ方会報57号

第37回   

夏だってお花見

いやぁ、今年の夏は暑かった。長期予報で暑い夏と聞いてはいたけれどまさかこんなに暑いとは。今夏、青梅市で40℃を観測した日に青梅市の隣の羽村市や瑞穂町辺りを自転車で走っておりました。いやもうこの日の暑さは本当に別格。最近ニュースで「今までに経験したことのないような」と言う表現を耳にしますがこの日の暑さは正にそれでした。暑さで人が死ぬということを実感した次第でありまして、、、。しかし、せっかく都心を走るより郊外の方がまだ涼しいだろうと思ったのにこの日に限って都心より暑くなるなんて、、、。なんだか詐欺に引っかかったような、、、。いやはや今年がこの調子だと来年の夏はどうなることやら。正直あまり考えたくないけど、、、。う~ん、これは下手なホラー映画より恐怖かも、、、。

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さて、花見と言えば相場は春の桜となっていますが夏だって色々と花を楽しむことができます。皆さ2.jpgんはこの夏どんな花をめでたでしょうか。私はと言えばこの夏、蓮の花を楽しみました。蓮はインド原産で開花は7月から8月にかけて。インドやスリランカ、ベトナムでは国花にもなっています。また仏教では西方浄土の極楽は神聖な蓮の池とされています。そう言えば仏様は蓮の上に座っていますよね。この蓮の花、都内の公園でよく見かけます。上野の不忍池や町田の薬師公園などが有名なところでしょう。
そして都内には蓮田もあるのです。3.jpgと言うことで行ってみました。場所は町田市下小山田町。小山田神社の辺りです。近くには今年の甲子園で金足農に準決勝で惜しくも敗れた日大三高があります。この蓮田を少し北へ行くと以前紹介した鶴見川の源流があり、その先は多摩ニュータウンです。北に多摩ニュータウン、南には町田市街と言ったところですがこの辺りはそんなことを全く感じさせないほど緑豊かなところです。そんな中にある一面の蓮。小さな小山田神社を取り囲むようにある蓮田はなかなか圧巻なものです。あぜ道に降りると間近に蓮の花を見ることができます。4.jpgここで見ることのできる蓮は大賀蓮。別名古代蓮とも呼ばれています。これは東京大学農学部の大賀博士が千葉市の東大厚生農場 (現、東大検見川総合運動場)で、1951年3月 弥生時代の地層からこの蓮の実を発見。これがなんと2000年も前の実だったのです。その後発芽と開花に成功し、その種子が全国に広まったものがこの大賀蓮なのです。写真はモノクロなのですが(※会報では)、青い空と白い雲、そして夏の強い日差しの中、淡いピンクの蓮の花はよく合います。大きな蓮の葉の中からすっと茎をのばし静かに咲く蓮を見ていると仏教で神聖な花とされているのもうなづけます。それにしても仏教5.jpg伝来のはるか以前にこの日本に来て、弥生時代に生きていた人もこの同じ蓮を見ていたのかと思うと何やらロマンチックな気分にもなります。
この会報が出来上がる頃は花の時期は終わっているのでしょうが、もしこの蓮田を訪れるのでしたらご注意ください。蓮田はあくまでも農家の方の大事な農地ですからくれぐれもマナーを守って鑑賞してください。当たり前のことですが。また蓮田の周りは住宅地ですので車の路上駐車はやめてください。
この蓮田の近くには社会福祉法人まちだ育成会が運営する町田市大賀藕絲館(ぐうしかん)があります。この蓮田の蓮を使って様々な製品を作り展示・販売をしています。ぜひ蓮田を見学した際にはこの藕絲館にも足を延ばしてみてください。特に蓮の実を使って作ったクッキーやケーキは人気のようですよ。

6-2.jpg弥生時代からある蓮。もちろん今回ご紹介した大賀蓮だけではありません。実に多くの種類があります。興味のある方はぜひ府中郷土の森公園へ行ってみてください。公園内の修景池には30種類もの蓮を見ることができます。

いやもう、蓮に種類があると言うのも初めて知りましたし、ましてや30種類もあるなんて、、、。いやはや本当に驚きました。
府中は先ほどご紹介した大賀博士が住んでいたこともあり様々な種類の蓮を見ることができます。7-2.jpgしかも無料なんです。これはもう多摩に住んでいるなら見ないなんて実にもったいないことです。ただ、蓮の花は朝早く開き、 昼頃に徐々に閉じてしまいますのでちょっと早起きが必要です。まっ、早起きは三文の徳と言ったところでしょうか。

夏の楽しみって色々あると思いますが、こんな風に夏に咲く花を探すというのも案外楽しいものです。そう言えば武蔵村山市のひまわり畑も素晴らしかったなぁ。一度見たらもう病みつき。また来年も訪れたくなること間違いなしです。

8-2.jpg今年のこの猛暑は本当に堪えましたがそれでもこの猛暑から学んだことがあるとすればそれはやっぱり原発っていらないってことではないでしょうか。今年はもう異常気象とも言えるような猛暑。あっという間に梅雨明けし、途端に猛暑。これはきっと節電、節電と言われるのだろうなと思いきや、そんなことは微塵もなくむしろ熱中症対策のため積極的に空調の使用が言われるくらいでした。結局こんなに暑い夏なのに電力の供給が危機的な状況になることはありませんでした。最も大口需要家に対しては節電を要求し、電力会社間で電力を融通しあったようですが、それでも社会全体の省エネが進み、太陽光発電などの自然エネルギーによる発電もあり大丈夫でした。結局原発に頼らなくても人間の知恵と工夫で問題ないと言うことではないでしょうか。政府や電力会社がいくら騒いだってこの夏が如実に示しています。なんだかんだと言ってもやっぱり原発はいらない。福島を見れば安全だとは言えないし、そもそも核のゴミはどうするんだ!原発に頼らない社会、やればできるじゃないか。マスコミや電力会社がいくら騒いだって、政府がしたり顔で電力が足りなくなるから原発が必要と言ったってそれを真に受けてはいけないんじゃないか、無批判に受け入れてはいけないのではないでしょうか(最も今の政権は平気な顔してうそをつくし、本当に国民のことを考えているかどうか怪しいものですが)。暑くて暑くて本当に大変な夏でしたが、この猛暑が原発なんてない方がいい、なくても大丈夫と教えてくれたと個人的には思っています。